間伐材や放置竹林の竹材、果樹園の剪定枝を効率的な熱分解装置により炭化させる装置「未来ロケットカーボナイザー」を開発し、本来廃棄されるモノの有効活用、災害時の避難所での熱源や燃料の確保、さらにはカーボンクレジットの創出まで見据えた活動をしている株式会社未来創造部が主催する見学会に、「きになる果実」編集チームで参加してきました。
果樹とは直接的な関係はありませんが、果樹生産の大規模省力化の取り組みが進む中、剪定枝の活用や資源循環型の農業の一例として「きになるマガジン」番外編としてレポートします。
未来ロケットカーボナイザーとは
未来ロケットカーボナイザーは、一言でいえば炭を作る装置です。
昔ながらの炭焼きでは、斜面に穴を掘り窯を作り、窯の上部に設置する煙突によって上昇気流を起こして炭材を内部で燃焼させて炭を製造します。伝統的なこの手法では炭焼きの際に辺り一面煙が立ち込めることになり、熱効率もあまり良くありません。
一方で未来ロケットカーボナイザーは、カーボナイザー内にロケットストーブを組み込み、燃焼材投入口より紙や割り箸等の燃焼材を投入して燃焼させます。燃焼するとバーントンネル(横のパイプ)に炎が横に走り、ヒートライザー(縦のパイプ)で二次燃焼が起こります。この構造からロケットストーブ内は高温になり上昇気流が発生します。
カーボナイザー内の温度を徐々に上げていくことにより、炭材の熱分解が始まります。外熱方式(直接炭材に火を入れない方法)により、中に炭材が燃えることはありません。水蒸気やリグニンなどカーボナイザー内に立ち込めたものを左のパイプ(ガス誘導官)から燃焼材投入口に戻し、煙等を完全燃焼させます。これによって、煙突から煙が出ない仕組みになっています。

未来ロケットカーボナイザーは大中小の3サイズあり、1,200Lのサイズで木材が炭になるまでの時間は4〜6時間、3,000Lの場合は8〜10時間、5,000Lの場合は10〜15時間程度です。当日中に炭化の作業を終わらせる必要がある場合には、1,200Lか3,000Lのサイズが望ましいのではないかとのことでした。



炭材としては、木材、剪定枝等で、野菜や果実の残渣でも搾りかすなど水分量が少ないものであれば炭にできます。自治体等では放置竹林の竹を資源化するために導入する事例があるそうです。
見学会ではロケットカーボナイザーの仕組みをご説明いただきながら、実際に火付けをして煙突内に上昇気流が起きる様子や、ロケットカーボナイザーによって作られた上質な炭、副産物として発生する木酢液などを見せてもらいました。



ロケットカーボナイザーの最大のポイントは、炭材を直接燃焼させるのではなく、熱分解により炭を生成するところにあります。
自治体への届出の際には一般的に産廃業者との連携を義務付けられる「焼却炉」ではなく、「製炭機」であることを地域の消防署に理解してもらった上で、自治体の環境部に相談に行くと良いとのこと。ちなみに竹は焼却炉で燃焼させると有害性が指摘されているシリカが生じ管理が必要になる一方で、カーボナイザーではシリカを生じないそうです。
見学会を主催した未来創造部 光村副社長によると、炭の市場価格は1kg100円程度。土壌改良剤や家畜の餌に混ぜて使用することで排泄物の臭いを軽減したり、家畜が元気になるというレポートがあるそうです。
また、炭の製造過程で発生する熱をビニルハウスの熱源としたり、災害時のお風呂の湯炊きにも利用できる等、様々な活用が考えられるとのことです。
株式会社未来創造部では、定期的にロケットカーボナイザーの見学会を実施しています。
気になる方は、ぜひ、お問い合わせください!
