広島県尾道市に本拠地を構える丸松グループは、グループ会社で生産から小分け、加工・製造から販売に至るまで、すべて一貫体制で商品を送り届けています。既存の流通では、中間業者が多くなる事によって、特に情報の流れが遅くなりがちです。丸松グループでは中間流通をなるべく省く事で、情報の伝達をスピーディーにし、且つ物流コストの低減につなげています。

グループ内で農業生産を担うのが株式会社ハマノ果香園です。2005年ごろからグループ内でカボスのストレート果汁を製造したところ販売が順調であったため、将来的な原料の安定確保と自社農場保有によるイメージアップも狙い、2007年にカボスの産地である大分県国東市に法人が設立されました。
国内最大規模のかぼす農園を新たに開拓
ハマノ果香園では、国内最大規模22haのかぼす農園を新たに開拓・所有し、2009年には17,000本の植栽が完了しました。2012年150tの初収穫以降、2023年には年間470tまで生産量が拡大しています。
SS機、トラクター等を導入し、収穫、剪定作業以外の作業を機械化、省力化し適期に各作業をスピーディーに行える農業を目指してます。生産したかぼすは関連会社を通じて、手間と時間かけず鮮度を保持したまま出荷するシステムを構築。農園のすぐそばには搾汁工場を稼働させ、採れたてのかぼすを搾汁することで、カボスのストレート果汁を製造しています。
かぼす果汁は加工用原料として、丸松グループへ出荷し加工製造。また、タマネギ、カボチャなどの露地野菜(3ha)、ハウス栽培のトマト、葉ワサビ等(80a)を生産し、全国の生協やスーパーへ出荷しています。



当初、特に苦労したのは人の問題でした。他県からの参入で、地元に知られていない企業だったため、中々人員が集まらず苦労したそうですが、地元のイベントに本社の商品を提供したり、地元の道の駅等に生産した商品を出品する等、時間をかけていく事で徐々に理解してもらえる様になったと言います。
自社農園を持つことによるメリット
自社農園を持つことで、生産者から消費者に商品が届くまでに通過する様々な流通機関とそれにかかる運賃や手数料がカットされ、中間物流コストの低減に繋がりました。またグループ内に青果の選別、加工等を担う会社があるため、ハマノ果香園では生産のみに特化し、コンテナ輸送により輸送費の低減化にもつながっています。
栽培管理を一元化できることも、大きなメリットです。使用農薬や肥料等の資材を会社として管理し、使用農薬量の履歴を簡単にトレースすることができるため、各卸先に栽培履歴や生育過程の情報を求められた際にはスピーディーに提供することができます。


今後の展開
近年、インターネットを通じて全国の洋菓子屋、和菓子屋、小規模販売店舗に冷凍果汁等加工原料の小ロット販売も進めています。
カボスにはクエン酸とビタミンCが豊富に含まれ、他の食材を殺さない、すっきりとした香りが特徴です。そうした機能や特性を活かし、既存のストレート果汁に加え、果皮を使用した加工原料、さらにはオイル・入浴剤等食品以外の分野への活用等、多種多様な商品展開を目指します。数年前と比較するとカボスの認知度は全国的にもかなり上がり、また、他香酸柑橘が不作という事もあり、需要が上昇しています。今後は、各種調味料メーカー、飲料メーカー等に原料販売を行い、既存の商品はもちろん、新規商品の開発等も計画されています。


基本情報
会社名:株式会社ハマノ果香園
所在地:大分県国東市国東町小原5836-25
栽培品目:カボス
圃場面積・生産量:22ha・470t
<濱野 光展氏プロフィール>
1977年2月16日生まれ
1999年3月 帝京大学卒
1999年5月~2001年3月 アメリカ留学
2001年4月 ㈱丸松 入社
2007年12月 ㈱ハマノ果香園 代表取締役就任

